光と影

2002年8月11日



バイトの帰り、夕焼けがとてもきれいだった。



入道雲に夕焼けが反射し、その微妙な橙色のコントラストは
絶対にこの世の絵では描き表せないものだった。

光と影。

僕の毎日は、バイトでの残業で深夜になる事が多い。
その時はその時で、疲れた僕を癒してくれたものは、
僕の頭上に敷詰められた煌煌とした幾何学図形だった。

僕は思う。
この世の光とは、やはり影の中にのみ存在するのではないか。

閉ざされたドアの向こうに 新しい何かが待っていて
きっと きっとって 僕を突き動かしてる

僕もそう思って、自分の中にある暗闇を穿り出すように
孤独になる事がまるで何かの答えに導かれるような気がして、
嘘からは真実を 真実からは嘘を夢中で、がむしゃらに探し出してきたんだ。

そしてその結果は、なにもない だった。

なぜならそれは卓上の理論でしかなかったから。
かといって、現実の世界が「合っている」という答えであるわけもなく、
いつまでたっても得られない答えに、僕は嫌気を射していた。

そして今日、僕は何かを見たような気がする。

苦しみの中に、夕焼けがそっと入り込んだ。
それは「幸せ」と自分で呼べるものだった。
そんな小さな事だが、自分が探してきた「幸せ」ってもんが、
その感覚を自分は、はっきりと感じる事ができた。

毎日が忙しく流れていく。
夢や希望さえを夢見る暇もないくらいに。
そして、ふっと湧いた自由な時間。
その瞬間、自分の中で光とは幸せとは、やはり毎日の日常に
隠されているものであり、「いつかはロックスター」
なるものではない、と感じた。

なぜならば、自分が描いた理想はそれをかなえた瞬間に
とてつもない虚脱感を運んでくるだけだからだ。
夢を追いかけて、その夢の閉ざされたドアの向こうには、
僕は悲しみしかないと思う。

では幸せはどこか。

それはやはり日常だろう。
そして、卓上の理論でもなく、夢や希望でもなく、
夢や希望なんて意識しなくなった時、そっと自然が教えてくれるはずだ。

だからこそ、苦しくなったときは空を見て深呼吸、なんだろう。
 
探せば出てこない幸せ。
どーでもいいや、と思った時にふっと湧いてくる温かい感情。

やはりこの世は「作用反作用の法則」で成り立ち、
且つ、量子力学におけるハイゼンベルグの「不確定性原理」
で物事は進んでいるらしい。

放棄した者が得られる哲理。

なぜ神はイジワルなんだろう。

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