苦笑してる

今日は、コンビニに弁当買いに行って
下向いてブラブラ歩いてら、
なんか前方に人の気配がして、見たらニヤニヤしている元彼女だった。
「あ〜ひさしぶり〜」
「どうも」

（そうだよね、真顔でこんなじゃダメだよね。
わかってるんです。
あなたが「はぁ〜なんでそんななの？久しぶりなんだからフツー笑顔じゃない？」っていうのも。

僕のこの態度によって、この後に展開される嫌な場面も、僕が自分で自分の首絞めてるのも、全て僕ちんの頭の中ではわかっているんです。わかってるんだよ。）

「最近なにしてるの？」
「いや、別に。いろいろと」
「ふーん、ねぇ、ウチ来ない？わたし引っ越したんだよね〜」
「あ、そう。じゃあ行こうか」
「相変わらずだね〜」
「そうかな」

（相変わらずって何？
このぶっきらぼうな返答がでしょ。わかってますよ。ハイ、相変わらずですね。
でもな、俺はカメレオンなんだよ。周りの環境に
合わせるんだよ。
君だからこんな応対なのだよ。普通はこんなんじゃナインだ。お前といる俺はオレの中で一番嫌いな俺なんだよ。）

「あ、ねぇ、おれ今日ゴム持ってない」
「いいよ。わたし持ってる」

（あ〜やる気なんですね。
おれはそんなつもりじゃなかったんですけど。
俺は君で実験をしてみたんだよ。
オレのバカな言葉に君がうんざりして怒り出すのを、笑い出すのを。でもあっさり言ったね。フツーに言ったね。なんだよ、やるつもりだったのか。

あ〜だから俺は女が嫌いなんだ。きっと。
結局やるのか。やるにしてももっとはぐらかすってダメなの？
乙女チックを求める俺がバカなの？
やる為に俺は君の家に行く。
バカだね。
俺がバカだよ。悟った。全ては俺が原因。
オレの心が原因。この心がなければいい。
全て壊れちまえばいい。幸せもなくていいから
苦しみをなくして欲しい。一瞬で全部消えちゃえばいいのに。死にたくなる。
お前といると俺は死にたくなるんだ。）

「けっこういいとこ住んでるね」
「うん、広いでしょ。」
「広いけど、親の金だろ？」
「でも、親の金じゃない人なんているの？」

（うらやましい。まったくもって君がうらやましい。ここまでキッパリと線を引けてるのが素晴らしいよ。俺は悩んじゃうんだよ。親とのこと。
友達との事。日本の政治の事。将来の事。全ての事。君はきっと全てにうまく行く人間なんだね。

俺の将来は犯罪者。
それもとんでもない悪。なぜなら価値観の正当化で悪事を働きそうだから。
殺人はするね。
オレの価値観に合わないから人を殺す。あ〜やりそうだよ。俺なら。今だって何とか押さえ込んで生活してんだ。）

「ねぇ携帯の番号おしえてよ」
「あ〜いいよ、090−2323−××××」

ウソ教えてやった。
もう2度と会わない。
最後のエッチは気持ちよくなかったわけじゃないけど、おれはやっぱマジメなんだよ。マジメマジメマスオさん、なんだよ。そんで損するんだよ。そんな人生なのだよ。
最近よく笑う。一人でよく笑う俺がいる。
苦笑してる。彼女に対してじゃなく、彼女のウチまでのこのこ行って、しっかり腰振って汗かいて、
そんな俺に苦笑してる。何かが変わった。
最近ほんとに何かが変わってきてる。
今日はじめて包丁を手首に当てた。包丁の跡がついた。今までは持っても眺めてただけ。
死にたい、が今までだったけど今は消しちゃえ
って思う。あ〜怖いね。オレの安住の地はいったい
どこにあるのだろー。そんなもんないか。
でもおれはず〜と探してんだよ。何年間も何年間も。でも最近疲れてきてるんだな、きっと。
なんでゴッホは自殺したんだろー。